とある暇人の徒然雑記

暇人が徒然なるままに書くサボり場。真面目な話題が中心だが、大体ふざけ要素が入るので悪しからず。

始まる前から終わる希望

ここ2日、希望の党を見ていると思う。「ああ、早くも終わったな」と。

 

今回の選挙は自民が現状維持した一方で、民進党が二つに別れただけ。

しかも、民進党が左右にくっきり分かれたわけではなく、希望の党には明らかに「あんたは立憲民主だろ」のような議員が多々いる。自民党以外の保守政党は必要。そして、その役割を当初は維新に期待していたが、もう大阪以外に浸透しないという限界に達している。だからこそ、希望の党が自浄を含めた建て直しをすることに少なからず期待した。

 

だが、直近の動向を見ていると期待は水泡と帰した気がする。

 

相変わらず手のひら返し

まず、小池が都政に専念するのは当然だろう。ゆえに、国政で活動する国会議員団は自分たちがなぜ希望の党にいるかをもう一度見つめ直し、保守政党の育成・発展に努めるべき。

しかし、両院議員総会で噴出したのは責任の擦り合いと内輪揉め。

 

確かに、小池の排除発言は敗因の一つだし、言い方はもっと他にあった。だが、そもそも安保法制にあれだけ反対した民進党議員が大量に合流した時点で、国民はおかしいと思ったはず。しかも、急ごしらえだから具体性かつ実現性のある政策はなく、総理候補すら不明。これらが敗因だよ。

 

それなのに「嘘つきと呼ばれた!」「仲間が大量に落選して死んだ!」と全て小池の責任にした挙句、「安保法制はやはり違憲!」「憲法改正は反対!」と手のひら返し。しかも、早くも解党論すら出る始末。

問おう、政治家にとって政党とはそんな簡単に作ったり、潰したりできる存在なのか。選挙のために政党を立ち上げ、上手くいかなかったらすぐ解党する。いい加減にしろ、サークルじゃないんだよ。むしろ大学サークルの方が最近の政党より長持ちしてるわ。そんなに離合集散が趣味なら、もう辞職して国政以外で政治ごっこしててくれ。

 

だいたい、小池百合子が代表の政党ならば、安全保障に関してはどういう立ち位置になるかぐらい想像力を少し働かせたら分かるだろ。

プラカード掲げて安保法制に大反対しておきながら、しれっと希望に入り、テレビで「反対した時と今ではフェーズが違う(キリっ」なんて言ったら嘘つき呼ばわりぐらいされるだろ。フェーズって何だよ。ゲームキャラのレベルじゃねぇんだよ。国民に変節ぶりを見破られて痛いとこ突かれただけだろ。小池の人気に乗っかって当選するために合流したことぐらい見え透いているのに、いざ敗北したら全部小池一人の責任かい。

 

始まる前に終わるか

敗北の総括は必要だが、ただの個人批判と手のひら返しに終始している状態ではもうこの党はお終いですわ。小池も呆れていたが、こんなの民主党時代から何も変わっていない。何の反省も教訓も生かしていない。もうこの党は始まる前から終わるかもしれない。

 

まず、安全保障や憲法を巡ってもう1回分裂するかもしれない。というより分裂する必要がある。明らかに党の方針と合致しない議員がいるし、既に変節(二度目)を隠そうとしない議員もいる。むしろ、立憲民主に行くべき議員が一定数いるんだから、ここは出て行ってもらった方が良い。希望の党が自浄して党勢回復するにはそれしかない。「第二自民党ならば解党すべき」と批判している比例復活議員もいるようだが、このままでは「第二民主党」だよ。

民主党民進党は基本的な憲法観や安全保障観で一致できない状態だったから、立憲民主と希望の党に分かれたはず。それなのに、希望もまた左右ごちゃ混ぜでは何のために作ったのか分からない。元は同じ民進党の仲間かもしれんが、国民のために本気で政権交代可能な保守政党を作る意志と覚悟があるなら「泣いて馬謖を斬れ」。

これをすれば、自浄能力はあると認めよう。だが、出来なければ希望はいずれ瓦解してまた左右に分裂する。むしろ、その可能性の方が高いから共同代表の名前に細野や長島の名前が上がらないのか?

おかしいと思ったんだよ。正式な選挙までの暫定人事とはいえ、なぜ結党メンバーの長島や細野が主導権を握ってないのかが。もしかすると、再び分裂することを見越しているのか?

 

次に、小池自身が希望の党を見捨てる可能性がある。若狭や塾生はほとんど落選し、今や旧民進党系の集まりでしかない。言い換えれば「民進党右派+左派の一部」が集合しただけ。小池にとってはこれは予想外だろうし、全ての責任を自分に押し付けられている状況では熱が冷めるでは?

自分に近い勢力がおらず、民進党系の政党となったことを考えれば、わざわざ希望の党固執する必要はない。ここは見限って代表を辞任し、都政に専念しながら小池塾で候補者をもう一度育成する。そして、都政で成果を出した後に新しい政党を立ち上げる。この道の方が小池自身にとっていいのではないか?

 

唯一の光明とは

もう一度言うが、希望の党が本気で自民党に代わりうる保守政党になる意志があるならば、まずは党内を一致させろ。党内の一致度で言えば、現状は立憲民主にすら劣るレベル。「希望の党民進党カラーに染める」という寝言を言ってる間は国民の支持なんぞ得ないことにいい加減気付け。民進党がダメだから立ち上げた、入党したせっかくの政党を失敗した民進党カラーにわざわざ染めてどうするんだよ。

 

とりあえず、党の綱領、基本方針(国家観、憲法観、安全保障観)に賛同しない議員は切れ。話はそこからだ。また「排除だぁ!」と言われるだろうが、何のために希望を立ち上げたかを忘れるな。左右バラバラだった民進党では成せないことを実現するためだろ。そのためには、篩をかけて党内を一枚岩にすることが前提条件だ。寛容な保守とは、基本政策すら一致できない状態を放置、容認することではない。

 

野党はいつも「大同小異」というが、安全保障や憲法を巡る不一致はもはや「小異」とは言えない。大同の力を過信して、不協和音を生む小異の恐ろしさを軽んじるなかれ。

 

最初は小所帯からの再スタートでもいい。確かに、数は力だ。しかし、その数がただの烏合の集では強みではなく弱みとなる。だから、まずは少人数でもいいから基本的な考えや思想が一致する者同士で議論するべし。民主党民進党では党内バランスを気にして出来なかった思い切った議論ができるはず。そこから時間をかけてじっくりと政策を練ればいい。そして、建設的な議論と現実的な対案を示せば、支持は高まる。そういう保守政党を目指すべき。

 

とにかく、再び排除してでも党内を一致させる。そして、急がば回れだ。これが出来なれければ、希望の党は短命政党の一つとして戦後政治史の年表に載るだけだろう。